[書道に対する私の想い]
中国で生まれた漢字を我が国に請来し、その後、平仮名と片仮名を作り出し、現在まで脈々と受け継がれている文字文化は、現代の私たちの暮らしの中にしっかりと根付いています。
書や書道という概念がいつから起こったのかは詳しくはわかりませんが、毛筆による墨線ならではの存在感や流動・沈着等々、内面に精神性が深く関わる仕業の書というものが私は大好きです。
3500年もの太古の昔からさまざまな書が生まれ、長い歴史のふるいにかけられたものが、中国や日本で古典として残っています。
私は、これら書の古典を学び、その時代時代の風が感じられるような気分を味わえ、いにしえ人と時空を超えて少しでも同じ感覚を味わえるなら望外の喜びです。
こうした観点から、書くことと書に関わるすべてのものを大切にして、今日の書がどうあるべきかを考えていきたいと思います。